「おお!!そうそう!!!あーっよかった!ガチで忘れられてたらどうしようって思ったわ!!」
鈴鹿くんがケラケラと笑った。

「俺も今日、樹琴に突然りょうちゃん?って聞かれたから、やばいバレたって焦ったわw一応、みんなを思い出してくれるかって言ってたし、ごめんな。
あと俺から言わせてもらえば、勇ましかったのはお前だったけどな。」
やっぱり!!りょうちゃんじゃん!!ちくしょう騙しやがって…。聞いたとき本当に恥ずかしかったんだからな…。後で覚えてろ!!!
それにしても……いやー懐かしい。
私と青葉くん、まぁりょうちやん。と吹雪くん、鈴鹿くん、永尾くんの三人とは違う幼稚園だったんだけど、その幼稚園通しでみんなで雪遊びをしましょう!みたいな幼稚園の姉妹イベント。そこで事件は起きた。

いや、あのさ。雪があるからハイテンションになるけど…やっぱり寒いじゃん?
そういうわけで、雪遊びが終わると、すぐに上級生がヒーターの前を占拠。そのせいで、みんな寒かったんだ。先生が注意しても聞かないから。
それにイラついた私は、外に出て、割りと柔らかくて水分の多い雪を選んで、それを雪玉にした。それで両手に沢山の雪玉を持ってそいつらに近づいた。ヒーターの方を向いてるもんだから、気づく様子はない。

「えい。」
そして、私はそれをそいつらの服に背中から突っ込んだ。

「ぎ、ぎゃあああああ!!!!?」
「つ、つめたあああああ!!!!」
当然水分多めだから、染みる上に冷たいわけだ。しかもヒーターの前にいるから、雪は溶けて身体中ぐしょぐしょになる。幼い頃から私とりょうちゃんで、こういういたずらをよくしていた。

「て、てめぇ!!何すんだよ!!?ベンショーだベンショー!!!」
半泣きで騒ぎ立てる上級生に、おろおろする先生。

「乾かせ、そんなもん。寒いからどけ。」
今まで私達を見ていた、りょうちゃんが(この頃からドSだった)淡々と言うと、ぶち切れたらしいそいつらの一人がいきなり殴りかかってきた。そうしたら、


「暴力反対あなたは変態!!!」
そんなすっとんきょうな声がとんできたかと思えば、そいつの顔面に蹴りがとんだ。

「俺はこの子達にさんせー!寒いもーん!」
「北海道舐めないでよ!寒いんだからね!」
「寒い」
最初に声を上げた一人を合わせた三人が一歩前に出た。

「どうしてもって言うんならぁ?」
最初に言った子がくいくいっと指を動かす。「カモーンwww」みたいなサインをした。幼稚園生お得意、挑発ポーズ。
そこからはもう乱闘。まぁ当然、私達はこっぴどく叱られたわけなんですけどね!!いやぁ懐かしいや!!
えっ勇ましいのが私??よく聞こえなかったわ!!