「んで…黒錐ちゃんだよね?タメでいいからね!」
「あっ了解です!」
早速タメ口じゃない口調になってる?HAHAHA気にしたら負け☆
最近自分のテンションが父親に似てきているような気がしてなんかやだ。

「こくきり、こくきり…ううん、何かあだ名考えたいなぁ…」
ぶつくさ呟いている吹雪くんに、永尾くんがさらっと言った。

「樹琴でいいんじゃねぇの?小さい時もそうだっ…」
「「「「………。」」」」
4人は黙り込んだ。私も含めて5人で黙り込んだ。唐突すぎるその発言に、全然頭が追い付かない。
えっ、昔……?あ、会ったことあるっけ…?りょうちゃんぐらいしか、思い当たらないんですけど。

「ん…?……え?」
私が言うと3人は一斉に永尾くんの方を向き、睨み付けた。永尾くんは困ったようにしつつも、やっぱり無表情だった。

「あーっもう何ですぐバラすんだよ!!思い出してもらえるまで待ってようって言ってたじゃん!!」
鈴鹿くんが言うと、ぎゃーぎゃーと騒ぎだし、4人はわちゃわちゃし出した。
え、待って?私、何か接点あったっけ?幼稚園?いや、こんな個性的すぎるメンバー忘れるはずない。
いつも雨の日は狂ったように「うひゃ!うひゃうひゃ!雨!雨雨雨!!ひゃおーっ!」って騒いでた、隣のクラスの誕生日7/12の男の子ですら覚えているから、同じ幼稚園の子は全員覚えてるし。いや、でも小さい時って言ってるし…あれ…?……ん?もしかしてあれか?

「……北海道のお友だちと交流しましょうってイベントで突っ張る上級生とけんかした勇ましかった子達??」
私が聞くと、微妙な表情だった4人は驚いた様子でこちらを振り返った。