「もーお前ら歌ってみろよ!ふざけんなよ!」
子供みたいに騒ぐ佐藤先生を、冷ややかな目で見て、青葉くんは立ち上がった。

「そっこまで言うなら、高1の力見せてやるよ!俺ピアノ弾くから、歌えるやつ立て!!」
「「おぉーっ!!!」」
吹雪くんと鈴鹿くんの他にも、多分合唱に自信がある子、ノリがいい子がこぞって立ち上がった。女子までいる、すげぇ。
歌詞やらを知らない子も、うぇーい!!と盛り上がって手を叩く。
超盛り上がってる。何このお祭り状態。

「おい啓太ー!お前も立てよー!!」
「は?俺は…」
「はいはい!いいからいいからー!!」
永尾くんは、吹雪くんに無理矢理立たされた。まじで歌うのか。超楽しみ。

「うっわ!オルガン古っ!音悪すぎ!」
「うるさい。校長にでも言え!!」
ぶつくさ言う青葉くんに、佐藤先生が文句を言った。

「じゃあやるぞ?いいな?」
「おっけぇーい!!」
「「「うぇーいっ!!」」」
てへぺろした鈴鹿くんと拳を突き上げたみんなに、軽く笑ってから、青葉くんはオルガンに手をかけた。