次の授業は音楽で、音楽室に移動するらしい。
まだクラスに馴染めていない私は、当然「一緒に移動教室行こう~」とかいうクラスメイトなどいるはずがなく…

「黒錐ー、一緒に音楽室行こう。」
ん!?
あっ誰かと思ったら青葉くんか、生徒会長くんも一緒だ。

「ごめんごめん、こいつがさお前と話してみたいって言うから。」
あっなるほど。まぁ私も勝手に生徒会長くん!!とかって呼んでるからなぁ、少なくとも名前ぐらいでも知りたいです。

「はじめまして、黒錐さん。俺はこの高校の生徒会長している永尾啓太(ナガオケイタ)って言うから。まぁよろしく?」
「永尾くんね!よろしく!!」
よし変な反応しない!いつもの調子だ!いいぞ私!
って、一つ疑問に思ったんだけど、

「まだ一年なのに生徒会長なの?」
少なくとも生徒会とかそういう類いに関われたのは、前の学校だと二年になってからだった気がするんですけど…。

「…あー、なんか新入生の挨拶で普通に喋ってたんだけど何かひどく先生に気に入られて、それまで留学か何かで生徒会長が不在だから戻ってくるまで君がやってくれって押し付けられたんだよね。」
ちょっと待って。色々いっぺんに言われて頭がコングラッチュレーションなんですけど。
新入生の挨拶したってことは入試の成績トップだったてことでしょ?
それに、先生に生徒会長の座押し付けられたって、それを引き受けた永尾くんどんだけ優しいんだよ!!!
私だったら失踪中の生徒会長何とかして見つけて、顔面にスライム投げつけるんだけどな。
まぁこれが進学校のおおらかさってやつか、なるほど。


それにしても、私達結構目立っている気がするのは気のせい??あれ??
まぁ両隣に学校一のイケメンがいるから、目立つのは当然だろうけどさ、真ん中に私がいていいの??
すごい怖い視線向けられている気がするのは気のせいかな?あは!

というかそれより!青葉くんに聞きたいことあったんだよ!やっと聞ける!!

「青葉くん。私のこと覚えてる?」
急に聞かれてびっくりしたかもしれない。でも私は完璧に覚えてる。というかこの前思い出した。

『覚えてないの?“りょうちゃん”。』