「なので、日頃のあいさつにはみんな気をつけて…」
今、どうやら朝の会をしているらしいんだけど、この先生っていうか、西原先生超話長い。早く終わらせてくれないかな、ほんとに寒い。

「先生、転校生の子寒いと思うんで、長ったらしい話、さっさとやめてくださぁーい。」
えっ!?
今のわざとらしく大きい声はあの子だ。毒舌ドSくん。少なくとも同じクラスか!しかも優しい!

「そ、そうだな…じゃあ入ってくれ。」
凹みながら呼ぶなよ!どういう顔して入ればいいんだよ!
ここは、緊張した感じの顔で入ればいいよね、うんそうしよう。
ドアがなるべく音がしないよう、ゆっくりと開けて、教室の中にそっと入った。

「そんな怖がんなくてもいいのに。」
ドSくん!!
ありがとう、と私は軽く笑った。あれ、というか噂の生徒会長らしき人とも同じクラスじゃないですか。お母様が発狂しそうw

「という訳で、Aクラスに今日から新しい仲間が加わります!転校生というのは緊張していて、とても大変なものなんだ。先生にも経験があってな以下略」
あっ、また話始めちゃうんですか西原先生。

「西原さぁ、緊張してるって分かってるんなら早く座らせてあげれば?」
「…経験あるんでしょ先生。」

長くなりそうな話をズバッと切り捨てたのは、ドSくんと眠そうな生徒会長。
周りの子はそれを聞いて、「西原さいてぇーー!!」と笑っている。

「お前ら二人組はほんと生意気だな…。特に青葉!!先生を付けろ!先生を!」
「えー?西ちゃん先生?」
「おい!!!」
明らかに煽っている。煽っていくスタイルだ。

「……くしゅ。」
やっぱり廊下が寒かったせいか、くしゃみが出てしまい、

「あぁほら。」
ドSくんが言った。

「ほらぁ、西ちゃんが寒いところに放置したからじゃーん。」
「女の子なのに…最低。」
「う……」
二人の煽りは止まらない。
だけどごめんね先生、ちょっと悪口言うよ。
ぶっはははははざっまぁみろおおおおおぉぉっ!!!!自業自得だよふざけんな!!!寒かったわ!!ちくしょう!!!