呪いの着メロ

「それを聞いていくうちにその両親たちもその女の子と同じようになっていったの・・・・・・」

「同じように?」

「さぁ、どうなってたと思う?」

 勿体つける笑みがいちいち不気味なんだよ、三嶋。

 と、その時・・・・・・


 ガタン!!


 大きな音に、俺と三嶋は反応した。霧谷が何か怖いものを見たかのように頭を抱えて後ろの本棚にもたれ掛かっている。

「はぁ、はぁ・・・・・・」

「おい、大丈夫か!?」

 顔色が青い。貧血か?

「ど、どうしたの?」

 さすがの三嶋も心配顔で覗き込んでいる。だが、霧谷の瞳孔は開いたまんまだ。

「やばいな・・・・・・三嶋、救急車!」

「え?」

「早く!」

 三嶋が慌ててケータイで119を押そうとしたその時、霧谷の手が強く、俺の腕を掴んだ。

「だ、大丈夫・・・・・・」

「で、でもよ・・・・・・」

「少し、フラついただけだから・・・・・・」

 結局、霧谷に押し切られ、救急車騒ぎには至らなかったが、大事をとって解散となった。

 あの『片目の少女』は霧谷が「興味がある」と言って借りていった。

 あいつ、図書室のお得意さんだな。