白い雛鳥


-シノside-

徐に身体に纏わされたのはリィナさんの着ていたフード付きのマント

ほんのりと甘く香るリィナさんの匂いに自然と顔に熱が集まったが

そのあとに続く彼女の緊張感のある声に俺は直ぐに身を引き締めた




なにやらよく分からない言葉を呟いたかと思えば僅かに身体に痛みが走る

ギュッと閉じていた目を恐る恐る開ければ目の前は薄ら靄がかかったように見え辛くなっていた

これは…

思わず白銀の名を呼ぼうと口を開いたが慌てて手で覆う

彼女はそんな俺の顔を横目で見てからクルリと前を向き歩みを進める

僅かに身体を揺らしながら、なにやら歌を歌っているようで、不思議に思いジッと後ろ姿を見ていたら次に飛び込んできた光景に目が奪われた

ー可愛い可愛い私のお友達ー
ー私のお遊びに付き合って?ー

一歩足を運ぶ度に白銀の髪色が眩いばかりの金に染まっていき

ー誰にも見つからないようにー
ーひっそりこっそりかくれんぼー

白陶器のような肌は程よく焼けた血色の良いものに、身体付きは嫋やかで、艶やかに

ー誰にも見つけられないようにー
ー私の姿を隠して頂戴ー

服は華やかなドレスに変化して、靴も身体に身につけるアクセサリーも細かな装飾が施された美しいものに

さながらどこかの皇女のようだった

馬鹿みたいに口を開いたまま唖然としていると、もう一度だけ彼女が振り返った

ラピスラズリの瞳で射抜き、彼女はフワリと微笑む

やはり顔も全く別人で、素の顔が儚げな美人と例えれば今の彼女は快活そうな美人

この過程を見なければ目の前にいる人物が誰か分からないのだが、その笑顔に彼女の面影を見つけた気がした