大きな荷馬車はこの一台のみ、他の荷物は団員が担いでるか簡易的な台車しかない
そうなれば門番はこちらへ歩みを進めるしかなく、近付いてくる足音を聞きながら私は咄嗟にシノに私の着ていた黒いマントを被せた
この服は私の魔力が織り込まれており、魔法の程度にもよるが自分の本来持つ魔力の属性と違うものを使ったり使われたりすると身体に大きな負担がかかる
その為私の服を経由してシノに魔法をかける方が都合が良い
「リィナさん?」
「今から私が良いと言うまで声を上げるな。いいな?」
訳も分からずコクリと頷くのを確認するとシノに闇の魔法を施す
黒い霧が覆い尽くし、一瞬にして暗闇に溶け込む
闇の魔法は隠密に事を運ぶための魔法が主である
その所為か暗殺やスパイなどは闇の魔法を最も得意とする悪魔族が多い
また、その魔法に気付くことができる者はかけた相手より多くの魔力を持っている者か、この類の魔法に長けた者。つまりは同業者か高位の魔物くらいで
この魔法は気付かれないと踏んでの行動だ

