白い雛鳥


シャロンは相変わらず口元に笑みを浮かべたまま周りの団員へ身体を向ける

コンコンッと小気味いい音が鳴り響き、各々で作業している彼等は一斉に顔を上げた

「我が愛しい団員達よ。今からティニエにこの者達と共に入る。宿でも丁重にもてなすように。分かったか?」

「「「はい!シャロン団長‼︎」」」

快活な声と共に右手を上げ額に当て敬礼すると先ほどよりも早い動作で身支度を整え始める

「あなた方は少々狭いですがその馬車に乗ってください。荷物の間に隠れていればそのままティニエに入ることができます」

シャロンが杖で指さした先には荷物全体に白い布をかぶせた馬車と黒い馬が二頭

先ほどの騒動でてっきり馬は逃げているのかと思いきや澄ました顔で生えてある草に口を寄せて咀嚼していた

しばらく沈黙したあと、シノと共に小さく頷き、荷台の中へと足を踏み入れる

なかなか年季の入った馬車なのか少しカビ臭く、何より団員共の道具や服は様々なものが染み付いており、思わず顔を顰める

渋々荷物と荷物の隙間に身体を入り込ませ丁度良い体勢に腰を落ち着けると馬車が動き出すのを待った