「ごめん…なさい」
自分の浅はかな考えに素直に謝れば相手は僅かに口角を上げた
「素直な奴は嫌いじゃないが…お前にはもう1つ言う事がある。
お前はなぜあの巨人がお前を殺そうとしていた時、すぐに生きるのを諦めた?」
ドクンと胸が跳ね上がった
「それは…怖くて身体が動かなくなって」
「ふん、そんなタマだとは思えんがな。巨人に1人で果敢に立ち向かうぐらい馬鹿な奴だろ」
「僕、貴方が思ってる程肝が座ってる訳じゃないんです」
やめて、見ないで
フードの奥から全て見透かされてるような気がして思わず顔を逸らそうとした
「逃げるな」
そんな細腕で何故こんな力が出るんだと言うくらい強い力でグイッと顎を掴まれ無理やり顔を固定される
「〜〜〜ッ‼︎」
ちょ…近い‼︎
顔を近づけられ艶のあるポッテリとした赤い唇が目に飛び込んできて、こんな状況だというのに顔が熱くなる
だが、それは一瞬で奴が放った凄まじい殺気に僕は身体がピクンと跳ね上がった
「死んで楽になろうと思ってるのなら今すぐここで私が消してやろうか?どうせお前はここで巨人に喰われる運命だったんだからな」
先ほどの笑みとは違う…嫌な笑い方
「でも、私はあいつらと違ってすぐに殺さない。手足の爪から剥がし、次に指を切り落とし、次に手首足首…少しずつ、お前が泣き叫ぶ顔を見ながら紅茶を飲むとしよう。嗚呼、気絶なんてさせてもらえると思うなよ?」
殺すのを楽しんでいるような…そんな笑い方
「ぼ…僕は…」
駄目だ
本当に死ぬ
「い…や…」
いや…嫌だ…嫌だ‼︎
死にたくない‼︎
僕は巨人以上に化物な目の前の奴に戦慄したのと同時に、すぐ間近に迫る死への恐怖に涙が溢れた
刹那
「もうその辺にしてあげたらどうですか?」
誰かに後ろからギュッと肩を掴まれ、見知ったあの人の大好きな声が聞こえた

