白い雛鳥



ひとしきり笑ったところでネルは背筋をピンと伸ばした


『さて、そろそろ本題に入りましょうカ。リィナちゃん、あのネックレスを貸しテ?』

「ああ」

そう言われ、私は肩に下げている布の袋からヴァンに預けられたケースを取り出して、ネルに手渡した

『ありがと♪それじゃ、はじめるよン☆』

ネルはケースを開けて中に入っていた漆黒の宝石にそっと手を触れ徐に目を閉じた

「え…始めるって何をですか?」

「所謂魔力の透視だ」

これが私がネルの元へ来た第二の理由

此処へくる前日の夜にネックレスを調べていたら、黒曜石の中心に小さな鳥の紋様が刻まれているのを見つけた

更に調べるとその紋様はどうやらクロンの王家の貴族が代々受け継いでいるとされる鴉の紋章らしく、ごく限られた高貴な者しかそれを使うことを許されておらず、魔力も王家の者しか受け付けないのだという

だとしたら、ヴァンからの依頼でこのネックレスを奪いに行った時のあの追手の尋常じゃない数も納得がいった

それで、ネルに魔力の透視も頼んだのだ

ネルは魔力に関して敏感なせいか、魔力探知が獣人の中で一際優れており、その宝石に触れるだけで魔力を込めた者のその時の場所や情景を視ることが出来る

まぁ、魔力の残量によって見え方も違うらしいが