「リィナさ…」
「お前はずるい。約束ではなく、希うなんて」
「…俺なんかが貴方の事を少しでも縛るなんて出来ませんから」
そっと背中に手を回し、抱きしめ返される
「でも、本当は縛りたいんだろう?」
「…さあ?」
悪戯にクスリと笑い、シノは私の頬に優しく口付ける
「こら、どさくさに紛れて何する」
「今なら許して貰えるかと思いまして」
まぁ、今は犬のじゃれ合いだと思って目を瞑ってやるが
「…いつか話さなければいけない日が来るだろうな、きっと。」
だが、おそらく話すのは私からではない
漠然とそう思いながら、私はシノの胸に顔を埋めた
『ありゃマ…いつ出て行ったらいーのかネ』
ユングを後ろに連れたネルがドアを少し開けて呆れたように、だけど少し嬉しそうな顔で見ていて
「…嗚呼、リィナさんが自ら抱きついてくれるなんて!!」
「ちょ…おい、駄犬!!」
シノがリィナの普段されない行為の可愛さに今更ながら悶絶して倒れた事で
『やほーい♪おまたせしター☆って、シノくんどしたノ?』
ネルはようやく勢いよくドアをあけたのだった

