白い雛鳥



リィナは俺を一瞥すると小さく息を吐く

「聞いても面白くない」

「俺は貴方の事を知りたいんです」

「ハッ…興味本位か?」

次に向けられたリィナさんの視線は酷く冷たかった

思わず怯んでしまう程に

でも、今ここで何か言わないと、彼女はきっと傷付いてしまう。

意を決してリィナさんの手を取った

不意を突かれてキョトンとする彼女の顔をジッと見つめ、重くなった口を開く

「…違う。違います!俺は…貴方のことが…」

大切で、俺にとってなくてはならない存在で

貴方の為なら命だって捧げられる

だから、貴方の隣は俺にして欲しい
いや、俺でなければいけない

違う奴が並ぼうとするなら、牙を剥き出してその喉笛に噛み付き、身体を原型がなくなるまで引き裂いてやる

それは…親愛と呼ぶほど綺麗なもんじゃない

ドス黒く濁った俺の獰猛で汚い感情

彼女には決して見せてはならない部分

「…俺にとって命の恩人である貴方の事を気に掛けて何が悪いんですか?俺だってあなたに恩返しがしたい。貴方の背負ってるものを少しでも引き受けて、楽にしてあげたいんです」

だから、この感情が溢れないように綺麗事を並べて蓋をする

今はまだ、それができるから