白い雛鳥


-シノside-

施設の中に入り、先ず目に飛び込んできたのは扉大きさはメンリルが余裕で入れるほど大きく、しかも数え切れないほどたくさん

よく見ればこの施設には扉…というか扉の部分だけが並んでおり

肝心の神獣の姿はどこにもおらず、涼しげな顔をしているリィナさんに対して俺は戸惑うばかりだ

『あー、シノくんは来たことないからビックリしたよネ?ここにある扉はそれぞれの神獣の好む環境に繋がっているノ♪


まぁ、その場所は魔法で作られた架空の場所だカラ、実際の国で私達がお世話してる神獣が突然現れたーとかにはならないから安心しテ♪』

「魔法ってそんなことも可能なんですね」

「誰でもできるわけではない。ネルだから出来る芸当だ。これだけ多くの扉があるということはそれだけ大量の魔力を消費するということだ。それに、神獣の気持ちをよく理解し、緻密に計算し地形を再現する能力も必要となる。それにはこの世界の豊富な知識と経験が不可欠だ」

「これを同時にこなすネルさんって」

『やぁーだ☆リィナちゃん私を買い被りすぎヨ♪ただ他の子よりちょっと魔力が多いだケ!それに、旅は私の生き甲斐だから知識なんて勝手についてきたノ♪』

サラリと言ってのけるネルに俺はただただ驚くばかりだ