Sweet Honey Baby

 結局なんだかんだと、女…千聡に誤魔化され、なんであいつがあんな顔してたのか聞きそびれてしまった。


 千聡自体は、




 『人混みに酔って気持ち悪くなってたところへに、見も知らない女の子たちに囲まれたのがけっこう怖かったかな。あんたって、見た目いいし、無駄に足も長いから人気あるんだねぇ』




 とか惚けた物言い。


 そう言ってるわりに、あの時の顔色の悪さはなんだったんだ、というくらいに、まったく後は気にしていないみたいだった。


 俺が凄んだって流す女が、女どもに囲まれたくらいで凹むか?


 俺も自分でまともな対応だったとは言えねぇけど、レイプするみたいに初対面でベッドに引きずり込んでも平然としてたし。


 その後だって、数は少ないけど何度か寝たりもした。


 それでもあいつはあっけらかんとしていて、こいつよほどの淫乱かバカじゃねぇかと思ったりもしたもんだ。


 けど、体の反応はさすがに触れば素直に感じて、フツーに喘いだり悶えたりしてたが、なんだかその目は醒めていた。


 抱いてんのは俺なのに、何も見てない目。


 なんだか俺らしくもなく、それが妙に空しくなって、後味が悪くて…最近ではまったくそういうこともしなくなっていた。


 もちろん、俺も高校生の健康な男。


 そういう欲求はあるし、たぶん若い分強いんだと思う。


 けど、他の女でそれを晴らそうとか不思議に思わなかった。


 まあ、元々変な女に引っ掛かって、問題にでもなったら面倒くせぇし、ベッドに連れ込む課程自体が億劫だ。


 簡単にヤれて後腐れない女っていうのもいなくはねぇけど、病気とかそういうのもけっこう怖えぇしな。


 そういう女たちと刹那的な快楽を愉しむより、のほほんと笑う千聡のたわいない話を聞いて、言いたい放題の女と一緒に過ごす時間の方が今の俺にはずっと楽しかった。