臣吾はハーフではないけれど、
髪の毛を赤茶にそめていて見た目はなんだか怖い感じ。
普通にいたら目立たない私達も、この特進クラスでは距離をおかれてしまう。
「采花、宿題見して」
「なんの?」
「えーご」
「本当、臣吾は英語が苦手だよね」
「英語だけはむり。俺、日本から出るつもりねぇし」
「そういう問題じゃないんだっての(笑)ん。」
臣吾の頭を英語のノートでこついてから渡してあげた。
「さんきゅ」
臣吾はうけとると自分のノートに書き写していく。
ほぼ、毎日その日やった授業には宿題があって、さすが特進クラスってやつ。
宿題を忘れてくるようなやつは、臣吾だけだ。
シーンとしている教室。
聞こえるのは先生の数式の声だけ。
1限は数学。
学校なんて、つまらない。

