私が遅刻ぎりぎりで通う理由は、毎朝遅刻指導担当の江崎大和先生が門の前にいるから。
1つ下の学年のクラス担任の江崎先生とはこの朝の時間くらいしか話せる時間がない。
話すと言っても少しだけど、でも少しでも先生と話したい。
チャイムが鳴ると同時に教室に入ると、もうクラスのみんなは席に座っている。
一応、進学校の特進クラスのこのクラスは朝早くから学校に来て勉強するような真面目(ガリ勉)な人達が多いのだ。
「おはよ、采花」
「おはよ、臣吾」
川浪 臣吾。同じクラスの唯一の友達。
見た目は派手めな私と臣吾はクラスでは少しういた存在。
でも臣吾がいるからそんなこと気にしないけど。
見た目が派手目といっても化粧をしてるわけでもないし、髪を染めてるわけでもない。
ただ私は、元々、髪の毛が金色なのだ。
顔は知らないけれど、私の父親はロシア人らしい。
私は見事に父親に似たらしく、金髪も青い目も生まれつきだ。

