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チクタクチクタク…
短針が10、長針が4を指す
「おそ…」
既に20分も遅刻している
普段はこんなことなかった
やっぱりおうちが忙しかったかな…?
あたしは読んでいた雑誌を閉じ、ハルの家へ
行く準備をした
「さっむ…!」
コートを着ていないせいか厚着していても体中に冷たい風が染み渡る。
腕をさする動作をしても無意味だった
とは言ってもあたしの家からハルの家は歩いて3分程度。
車がないことにも気にせず、すぐさまインターフォンを押す
《はい》
「あ、おばさん?優希です」
ハルのお母さんとは親しいからいつもすぐ中へ入れてくれる
《だれですか?》
