そう渡された小さな紙袋
中身を覗くと、細長い箱が入っていた
「ネックレス…」
小さなハートがついたネックレスがその箱の中に入っていた
すごく可愛い
よく見たら紙袋の中の側面に折りたたまれた紙がくっついてあった
紙袋からはがしてたたまれた紙を開く
“誕生日おめでとう”
その一文であたしの目に涙が溢れた
「うぅ…っ…ハル…っ…」
━高1の冬、ハルはあたしから離れてしまった
住所も携帯番号もメールアドレスも、何もかも知らない
あたし達は赤の他人になってしまった
それからのあたしは毎年、春に雪が降るのを待った
ハルと優希…
二人がまた出会えることを信じて…
