「沙織は、サーオリとか行くの?」


大学に入学して二日目。カフェテリアで春の柔らかな日差しを顔に受けながらボーッと外の景色を眺めている時に、ふいに咲子に尋ねられた。


私は、伊藤沙織。


昨日大学の入学式を済ませ、ようやく晴れてこの大学の生徒として正式に認められた。


ずっと憧れていたこの大学。
どうしてもこの大学に通いたかった。
もちろん地元の大学だからという理由もあったけど、どうしても学びたい学部がこの大学にはあった。