Smartell a story

「美月、アプリに戻らないなら、着替えをどうするんだ?着る服が要るだろう?」

魁斗は眉間に、しわを寄せ目を閉じた。

「魁斗様、ご心配なさらず、もうダウンロードしておきました」

美月は嬉しそうに微笑んだ。

「通信販売じゃないんだ」

魁斗は目を丸くして感心していた。

「私はアプリガールですよ。ダウンロードすれば服だって着れますからね」

美月は人差し指を立て左右に振った。

「ダウンロードした、服はデジタルなのか?本物?」

魁斗は不思議そうに首を傾げた。

「デジタルでありながら本物の感触もあります。これがSmartell社の技術ですから凄いです…ただ…」

美月は申し訳なそうに魁斗に視線を向けたり逸らしたり繰り返していた。

「ただ…何だ?」

魁斗は嫌な予感を感じていた。この嫌な予感だけは当たるんだよな。ハズレたことのない的中率

「お値段が少々高いのですよ」

美月は笑って誤魔化した。

「少々高い?…あっー!何だ!購入済みって?…しかも、一着が3万stって何だ?」

魁斗は、すぐにSmartellを取り出し調べ始めた。魁斗の顔が、みるみる真っ青になった。

「あのーーちなみに3万stって現金ですと…
等価の値段でございます」

美月は舌を少し出して微笑んだ。

「一着なのか?」

魁斗は値段の高さに驚愕した。

「ごめんなさい………実は…」

美月は落ち込んで、今にも泣き出しそうな表情で魁斗を見つめた。

「美月、もっ…もう言わんでよか…俺が泣きたいよ」

魁斗は、ダウンロードの値段の高さと一着じゃなく複数着を購入したダブルパンチで
放心状態になっていた。