狼くんに振り回されすぎて


野田くんの元から離れ歩き続け


「つーか懐かしくない?ここ」


「えっ?」


偶然辿り着いたのは郵便ポスト
ここは私にも確かな思い出がある


「あの頃の先輩、警戒心MAXだったから
この1番人気がない郵便ポストの前に来たら
手を離そー?とか言って
俺ら手ぇ離してたっけなー」


「いやだってバレたらやばいでしょ?
仮にも同じ部だし…」


「まー俺らが付き合ってるって聞いたら
大体はびっくりするだろーね
あの鬼マネと?みたいな」


「ちょっと鬼って…!」


「あのさ、先輩」


「なっ、なに?」


「もーいっかい告らせて」


大神くんの大きな手が私の両手を包み込み
私の視界は一瞬で
大神くんでいっぱいになった



「俺と付き合ってください」