「見せつけてくれるね〜」
「こーでもして分からせないと
先輩のこと、引きずられても困るんで」
いやいや、なんつー喧嘩腰…
「ちゃんと諦めるつもりだから
けど、中村を泣かしたりしないって約束しろ」
「野田くん…」
「約束する。ぜってー泣かさないし
もう離すつもりないんで」
「わかった」
「……帰ろ、先輩」
「うっ、うん…」
大神くんに背中に手を添えられ
私たちは野田くんに背を向け歩き出した
ふいに後ろを振り向くと
野田くんが小さく手を振る姿が見えて
その姿は私達が歩き進むと共に
次第に小さくなっていった


