病室に戻ると俺はベットに寝転がった。
隣のベットでは楓が本を読んでいた。
「ねえ、大ちゃん」
「ん?」
「ううん…やっぱりなんでもない!おやすみなさい」
「おやすみ…?」
何を言いたかったんだ?
中途半端だと気になってしまう。
俺もしかして楓のこと気になってる?
いや。あり得るかも知れない。
人間は普通欲が出て小さなことで満足なんかしないのに楓は小さなことでも幸せと感じている。
そんな姿を見たら誰だってキュンとするだろう。
どうしよう。1日で好きになる奴なんて引くに違わない。
このことは俺だけの秘密だな。