沢山案内をし、俺たちは病室に戻ってきた。
「案内してくれてありがとうございました!」
「うん。さっきから気になってたんだけど…」
同級生なのに敬語を使っている。
これじゃあ、長い時間経っても距離が縮まない。
俺的にはあんまり気を使ってほしくない。
「はい?」
「同級生なんだし敬語辞めない?」
「分かりました…!」
「あと俺のこと大貴って呼んで。
俺も楓花って呼ぶから。」
「それならあだ名にしない?」
「あだ名?」
意外な答えにびっくりした。
「うん。大貴なら大ちゃんとか!」
「大ちゃん!?」
大ちゃんなんて今まで呼ばれたことがなかった。
大体、大貴とか村上って呼ばれたからな。
「駄目だった…?」
「いや。びっくりしただけ!いいよ。」
「良かった~!私のこともあだ名で呼んで?」
あだ名か。
どんなのがいいんだろう?
「楓とか?」
俺ってセンス良くないからいい案が
あんまり浮かばない。
「楓…それがいい!!」
嬉しそうな声で俺に言ってきた。
気に入ってくれたのかな?
「んじゃ、楓ね。」
「よろしくね。大ちゃん」
大ちゃんか。
なんだか楓に呼ばれると嬉しかった。
こんな気持ちになったのは楓が初めて。



