「…え?あ、うん。でも、なんで…?」



「俺の初恋の人名前ー。すぐ相手が引っ越したから、喋れたのは少しだけなんだけど」



言っているうちに恥ずかしくなって、俯いた。



「へー。初恋の人なんていたんだー。いついつ?」



「小学校四年…ニヤニヤしてんじゃねーよ!」



「えー?」



明らかに嬉しそうにしている美咲。


こんな話するんじゃなかった…。



「ニヤニヤなんてしてないよーう!ねぇ、どんなこと話したの?」



キリッと表情を引き締めた彼女。


だけど、すぐに耐えられず、ニマニマと表情が緩む。



「どんなって…普通じゃねーの?」



ヤケクソになって言い放つと、彼女は不満げにえぇーと言う。