~美咲side~
「…あ、おはよ」
「おはよう」
私が起きてリビングへ降りると、もう一輝くんは起きていた。
「早いんだね」
「んー…なんか、目が覚めたから」
いつもより無愛想さがマシ。
どこか嬉しそうな顔をしているように見える。
それはきっと……昨日の出来事を思い出してるから。
「よーし、弁当出来上がり!」
実は私は、隠れて昨日の出来事を見ていたから事情を知っている。
一輝くんとお母さん、お父さんが何年かぶりにちゃんと話したこと。
一緒にご飯を食べたこと。
それと…嬉しくて少し涙目になっている一輝くんの表情も。
「…すごいね、今日のお弁当」
「ん?そうか?」
見ると、いつもより気合十分のお弁当が目に入った。
