…こいつ、先生の呼び出し無視する気だな。


急かされていることに多少イライラしながらも、俺は靴を履き替え外に出た。



「ほらかわい早く行…」


後ろを振り返ると、先生に捕まっているかわいが見えた。



「川井、お前なのにすっぽかそうとしただろ」


「え、えー?そんな呼び出しなんてありましたっけ?」


「あったよ。忘れたフリすんのやめろ」


「ちょ、待っ…あ!カズ!」


「……ごめん俺先帰る」


「カズ!ひどい!俺を置いていくなんてひどい!」


「あーもううるさい。川井早く来い」



はあ…急いで損した。



ポケットに手を突っ込んで、指先に触れた金属を掴んだ。

手の中で、カチャカチャと金属の擦れる音がした。