「カズー。帰ろー」
「あ、おう」
時は過ぎ放課後。
あの後、美咲は先に俺の家へ帰ると言い出し、今頃多分俺の部屋だ。
「この後どっか遊びに行かね?カラオケ?それともゲーセン?」
「ごめん、今あんま金持ってない」
「俺が奢ってやるからさ!ほら早く行こうぜ!」
何やら珍しいことを言い出すかわい。
奢るとか、あいつの口から聞いたの初めてだぞ。
半分無理やり教室から連れ出され、早歩きで廊下を進んでいく。
「ちょ…かわい早い。マフラーぐらい巻かせろ」
「そんな時間オレらにはない!」
そう言い切ったかわいは、靴箱を見つけると猛ダッシュ。
「はーやーくー」
「あぁもうわかったわかった」
今になってようやくかわいが、俺を急かす理由がわかった。
