急に大声で叫ぶから、何事かとかわいを見る。



廊下にいた他の生徒も振り向いていた。


「いや、別に理由と言えるもんはねーんだけど、図書室にいるんじゃね?って、思ってさ」



「理由は?」


「いや、理由ないって言っ「理由は?」



かわいの話を遮って、理由を言えと言う。


まだいると決まったわけじゃないが、もしも美咲がそこにいたら。



どうして、その場所を見つけたのが俺じゃないんだ、と思ってしまう。


それを想像して、妙にイラついた。



「一限サボる時に行った場所だからだよ。何か思って、美咲ちゃんはそこに戻ったんじゃねーかなって」



「あ、そ」



「素っ気ねー返事だな。理由聞いてきたのは、お前なのに」



納得行かないと、かわいが嘆く。



「そんなことより、図書室だろ?行って見よーぜ」



「そんなことより、って……そんなこと、って……」



ブツブツ言いながら、歩き始めた俺について来るかわい。