なんだかんだとギャーギャー言いながらも、かわいが全部食べきって空になった弁当箱と箸が戻ってきた。
「うし!じゃあ、探しに行こーぜ!ってか、何か嬉しそうだなカズ」
「は?…あぁー。まぁ、うん?」
言ったら笑われるだろうから、言わねーけど、俺が作った弁当を残さず美味しそうに食べてくれたのは、すごく嬉しかった。
空になって軽い弁当箱を片付けて、立ち上がる。
かわいはとっくに立ち上がっていた。
「あ、そーそー。弁当、うまかったぞ」
「おー……」
不意打ちでそんなこと言われたら、どーしていいかわかんねーよ。
顔が少し熱い。
赤くなってなきゃいいけど…。
顔を隠すようにして、かわいより先に教室を出た。
「どこにいんのかなー?美咲ちゃん」
「わからん」
教室を出たはいいが、どこに行くべきかわからない。
「あ!」
「何だ、どーした」
