「おい、うるさいぞかわい。先生も来るだろうし、早く席座れよ」
わめいているかわいに、冷ややかな視線を向ける。
不満げな顔をしつつも、かわいは席(俺の目の前)に座った。
それから、先生もが入ってくる。
「……川井。そこは、山原の席じゃないのか」
入って来た先生は、開口一番、さっきの先生と同じことを言った。
「何で山原には何も言わねえのに、オレは注意されるんだ……」
かわいが、己の不幸を嘆く。
「日頃の態度だろ」
後ろから言う。
「う……確かに……」
あ、納得すんのか。
「……いやでも先生!オレ、視力悪いんで替わってもらったんです」
さっきも通じなかった言い訳をするかわい。
通じないって。
「…そうか。…………何て、言うと思ったか?替わる前の席よりも後ろの席だぞ、そこ」
「あ」
「後で職員室、な」
にっこりと、黒い笑顔で先生が言った。
