美咲が何をしているのか、知っているのが当たり前だと考えていた、とでも言うようにかわいが驚く。
「なんで驚くんだよ。もともと、美咲には家で待っていてもらうつもりだったしな。いなくても、別に問題ない」
そうだ。
もともと、学校に連れてくるつもりなんてなかった。
そばにいなくても、不思議でも何でもない。
だけど。
「あー……でもやっぱ、一緒に学校来てたみたいだし。近くにいないと、嫌…かもな…」
ボソリと呟いて、その言葉がしっくりくることに俺が1番驚いている。
「んぉ?やっぱ、カズも美咲ちゃんのこと気にしてんじゃねぇか。とりあえず、授業受けて昼休みまで待って、それから美咲ちゃん探しに行こーぜ」
呟いただけ、のつもりだったのだが、かわいにしっかり聞かれていたらしい。
「はぁ…分かったよ」
聞かれていたことに対して、ため息を吐く。
迂闊な発言は避けないと、な。
「カズ、お前ってさ…美咲ちゃんのことす……」
キーンコーンカーンコーン……
「やっぱりタイミング悪ぃ!」
