幽霊彼女と死んだ恋





「なぁ、美咲ちゃんいねえよな?」



「あ?」



チャイムが鳴って、先生もいなくなり2限と3限の間の休み時間。



かわいが、キョロキョロとしながら聞いてきた。



「……いない、な」



俺もかわいと同じようにキョロキョロと辺りを見渡してから答えた。



「良かったー。いや、良くはねえけど…」



「は?」



1人で言って、1人で否定するかわい。



いつも以上にアホさに磨きがかかってるぞ。



「そんな目で見んなよ。オレてっきり、美咲ちゃんの分けてくれた霊力とか言うのが切れたのかと思ったんだよ。美咲ちゃんが見えないから。
でも、美咲ちゃんがいないんなら、見えなくても当然。
だから良かった、って言ったんだよ。でも、美咲ちゃんがいないのは良くねえからな。

結論として、全く良くねぇ!」



と、ドヤ顔で締めくくるかわい。



ドヤ顔でも、アホさが際立ってるだけだぞ。



「……まぁ、そうだな」



アホは際立ってるが、かわいの言うことももっともだ。


どうしていないのかは分からないが、美咲がいない。

これを問題と言わずなんと言おう。



「いやでも、俺たちが美咲の行動を把握する、というのもおかしな話だぞ」



「え⁉︎」