教室に戻ると、ちらほらとクラスのやつが戻って来ていた。
帰ってくる途中でチャイムが鳴っていたから、もう皆揃う頃だ。
「…あれ?美咲とかわいは…?」
てっきり、俺の席の近くにいると思っていたのだが、美咲とかわいの姿がない。
「おい、アレ見ろよ」
「かわいのやつ、ホモの次は何だ?」
…え。まさか。
教室に今入って来た奴らが、バカにするように笑いながら話している。
恐る恐る、教室の出入り口を見た。
「なぁなぁ、美咲ちゃん、オレ家来ない?」
「えー…一輝くんに聞いて見ないとわかんないかなー」
かわいが、可愛い子をナンパする様に話していた。
いやいや。
ダメだろ。
俺から見たら、可愛い子に絡んでるクラスの男子。
でも…美咲が見えないクラスの奴がこれを見たら?
それから、美咲もそれを心配して俺のフォローをさせるために、かわいに話したんじゃなかった?
…いや、そんなことはどーでもいい!