「初めまして、美咲です」



「おー‼︎俺は川井 速樹。速樹って呼んでくれると嬉しいな」



「あなた速樹っていうんだ!一輝くんがずっと上の名前で呼んでたから知らなかった!」



「こいつはオレのこと大好きだから、下の名前で言うの恥ずかしがってんだよ」



「別にそんなのじゃねーし!」



自然と上がる体温、胸の鼓動。

きっとそれは、かわいにからかわれたから、じゃなくて………



…美咲に、名前を呼ばれたから。



あー、もうなんだこれ。

自分から下の名前で呼べって言ったのに。



言わなきゃよかった恥ずかしい。



「ま、これからよろしく、美咲ちゃん♡」



「わ、語尾にハートマークついてるー」



「気持ち悪っ」



「ねー?」



「なんだよ、自分の気持ちに正直になってるだけじゃん!」



「ちょっとは嘘つけよ、下心バレバレの方が気持ち悪いぞ」



「ま、嘘ついても意味ないけどね。私、ちょっとだけだけど人の心読めちゃうから」



「マジで⁉︎」