「私が追い返しといた♪」
「…え、追い返した…って」
「次移動教室でしょ?だから、皆教室出て行った!」
「…それ、美咲が追い返したんじゃねーじゃん!ちょ、かわい!次移動!」
「んあ?そーだっけ?」
「そーだよ!早くしないと置いていくからな!」
「あ…ちょ、待てよ‼︎」
急いで教室を出て行く俺らを見送るように後ろ姿を見ていた美咲は、こう叫んだ。
「もう遅刻してるよー‼︎」
美咲の声とともに、授業の始まりを告げるチャイムが鳴った。
「あー…」
もう走っても間に合わない。
ガックリと肩を落とし、教科書とかを近くの机に置いた。
