「…え、ちょ、まっ……」



逃げたいという気持ちとは裏腹に、体が全く動かない。



不安定な感情の中、彼女は構わず近づいてくる。



…あ、俺、もうダメかもしんねぇ…



心の中で何かを決心し、目を閉じた。



お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとう。


きっと俺は、この幽霊に取り憑かれて死んでしまうんだ…。



あぁ…今まで楽しかったな…。