それを見ながら、深々とため息を吐いた。
「美咲……」
お前のせいだ…!
と目線を向ければ、ゴメンネ、と謝る美咲。
ただし、謝ってる感はゼロだ。
「委員長ー。挨拶」
下田先生がヤル気のない感じに声をかけると、「起立」とはっきりした声が教室に響いた。
次いで、ガタガタと椅子の動く音。
俺も、皆と同じように立ち上がった。
「姿勢を正してー…礼!」
「おはよーございます」
「おー、おはよー」
「着席」
高校生にもなって、相変わらず統一感のない挨拶。
ガタガタと、椅子の脚が教室の床を擦る音が耳障りに響いて全員が座った。
