「そんな怖い顔すんなってー!っつか、オレホモじゃねーし?」



「あ、そ」



ホモじゃないなら、なおのこと俺と必要以上に絡むなよ……。



「ねぇ、お友達、ホモなの?」



遠慮がちに…いや、質問内容が遠慮出来てねーぞ。



「俺の友達がホモだと信じたくねー!」



「だねー」



「急に叫んでどーしたんだ?カズ。それに、今さっきホモじゃないって言ったばかりだぞ」



「あ、わりぃ。美咲が……」



言いかけて、気付く。



そーいや、美咲のことは見えないんだったっけ?



「美咲?誰ソレ!」



しまった。

かわいに、ムダに興味を持たせてしまった。



「なぁなぁ、美咲って?どこにいんの?」



「うるさい。…ほら、先生来たぞ」



ガラッと、タイミング良く担任の下田-シモダ-先生が入ってきた。



下の名前は、覚えていない。



「おーい、早く席着けー」



「チッ。後でまた聞きにくっからな!」



舌打ちして、かわいは席へと戻っていく。