まるで、何かを見つけたように、ある一点で視界を固定した。



いやいや、俺、何も見えないだろう?


え?

何か見えんの?

は?

まじで?



逸らせない視線の先で〝ナニカ〟がぼんやりと形を成し始めた。



段々、よくわからなかった姿がはっきりとし出す。



黒い髪に覆われた顔は見えない。


白い…ワンピース?



まるで、どっかのホラーにでも出てくる幽霊のような…え?まじ?



髪の隙間から、目が俺を見ていた。



睨み付けるような、鋭い視線。



恐怖で固まって、思考回路も止まる。



「……ネェ……」



か細い、女性の声がした。



俺は、ビクン!

とベッドの上で飛び上がった。



「あ、あの〜…そこまで怖らがないでよ…」



ススー…と、床を滑るように、ソレは近づいてきた。