何でもないことのように…いや、実際何でもないことだしな、だからそう言えば、美咲は悲しそうに顔を歪める。
「慣れるのに必要な時間って、何分?何時間?何日?何年?」
「へ?」
いきなり、何を言い出すのだろう。
「慣れるまでは、辛いんでしょ?」
「いや、どーだろ…?」
美咲の言おうとしていることが、俺にはよくわからない。
「辛いよ!きっと!まぁ…辛い時に私は近くにいなかったけどさ、今は私がいてあげる!」
「何で上からなんだよ」
でも何だか、…〝私がいてあげる〟その言葉は、〝誰かがそばにいる〟その状況は、くすぐったくて、心地の良い暖かさがあった。
