「…あれ、親いないの?」



一階に降りたところで、静まり返ったリビングに違和感を感じたのか、美咲は問い掛けた。



「あー、2人共朝早いから」



「ふーん…あれ、朝ごはん食べないの?」



「あまり腹減ってないから。お茶で十分」



「途中でお腹鳴っても知らないからね」



棚から弁当箱を取り出し蓋を開けていると、また美咲が問い掛けてくる。



「……え、自分で作るの」



それも、何故か少し引いたような顔で。



「何だよ。悪いか?」



「…いや」



意外ー、と付け足した美咲は、リビングのソファへと腰を下ろした。