「例えば…私に呪われる、とか」



ギクリ。



「ソ、ソンナコトナイヨー?」



美咲はもしかしたら、人の心が読めるのかもしれない。



視線を合わせないよう、右へとずらした。



「一応言うと、呪ったりしないから。と言うより、出来ないから」



「そうなのか?」



「うん…って、そんなことはどうでもいいでしょ!早く支度しなさい!」



まるで、母親のように怒る。



「はーい」



返事を返して、支度に取り掛かった。