美咲は俺の心を読んだかのようにボソッと呟いた。
「一旦?」
一旦、と言う言葉に何処かホッとしている自分がいて驚く。
「うん、一旦。あ、戻って来ない方が良いよね?君からしたら」
寂しそうに笑う美咲。
「いや!そーじゃなくて!」
気が付けば、叫んでいた。
「え?」
「いや、一旦?って聞いたのは、また戻って来てくれるのか、って思っただけで…」
「ん?」
気が付けば、ベラベラと余計なことを話して話してしまっていた。
しまった!と口を閉ざすが、美咲はニヤニヤとこっちを見て俺の言葉の続きを待っている。
「つまり?」
「…つまり……このまま、家にいればいいんじゃねーの?」
あー…言ってしまった。
途中から少し恥ずかしくなって視線を逸らしていたが、美咲の方へ視線を戻す。
静かだなー…と、そんなことを考えて美咲を見た。
