アイドルなんて、なりたくない<font color=

怒りを顕にして言うと

「それで?その愚かな輩は何をしたのかしら?」

静が問い掛ける。

紫は、フフ…と笑い

「蒼龍神社に寄付と称した賄賂を送ろうとしたけれど、『我が蒼龍神社を、奸な心で汚すつもりですか?』と、圭子大姉さまに一喝されたわ」

言いながら、どこなら得意げだ。

「あらあら、さすが圭子大姉さまね。それで?」

「この町の住人を取り込もうとしているらしいわ。もっとも、誰もなびかないけれど。まあ、若い人達の一部は賄賂を受け取ったらしいけどね」

「まあ、なんて愚かな…」

「フフ…取り込んだ連中使って蒼龍神社に何かしでかしそうなのだけど、どうする?」

紫が上目遣いに聞くと

「もちろん、そんなバチ当たりな者達は、おしおきしなければならないわね」

当然のように、ニッコリ笑って答える静。

「そうね。で?」

「圭子大姉さまから、指示さえあれば、動きますと。」

「そう。伝えておくわ」

二人は、笑い合ってから

「とりあえず、孫達が入れてくれたお茶でもいただきましょうか?」

そう言って静は草履を履く。

「そうしましょう」

紫の同意を得て庭の東屋に向かう。