アイドルなんて、なりたくない<font color=

三人がやってきて

「ごきげんよう紫お祖母ちゃま」

優衣は優雅な動作で

「お久しぶりです。紫お祖母様。相変わらず素敵ですね」

怜は礼儀正しく

「お祖母ちゃま、いらっしゃい」

麻衣に無邪気に

それぞれ挨拶をする。

紫は、それぞれ違う孫達を愛しそうな目で見てから

「三人とも相変わらずね。それに怜、よく帰ってきましたね」

ほほ笑みながら言う。

「こんなに立派になって」

静の言葉に

「本当に、早いものね」

紫が応えた。

怜は、少し照れながら

「ありがとうございます」

恥ずかしそうに頭を掻く。

それを二人の祖母は嬉しそうに見ている。

「さ、五人でお茶をするから、紅茶の準備をしてくれる?それと、ケーキナイフとお皿とフォークを人数分用意してちょうだい」

静が言うと

「はい」

優衣が返事をするが、三人で顔を見合わせる。

静は、悟ったように

「せっかく、紫が手作りケーキを作ってくれたのだから、そちらをいただきましょう」

そう言うが、怜が

「でも、五人って…」

戸惑いながら言う。

静は、ほほ笑みながら

「あら、紫と優衣、怜、麻衣、それに私の五人でしょう?」