アイドルなんて、なりたくない<font color=

「なんで、レイナちゃんを目の敵にしてるんだよ?」

と、問いかける。

優衣は、視線を逸らして

「べ、別に目の敵になんかしてないわよ」

動揺しながら答えた。

「あ、もしかして、俺がレイナちゃんに夢中だから嫉妬しているのか?だったら、早く言えよ」

洸太が、ニヤニヤ笑いながら言うと

「違うわよ!」

優衣は、思いっきり否定した。そして

「ただ、その《魔法少女こももちゃん》と《不思議探偵二宮三郎太》の時の秋山レイナを観たくないだけ」

と、言う。

「いつも聞いてるけど、何でその二作品のレイナちゃんは否定すんだよ?」

洸太の問い掛けに、優衣にムスッとしたまま、そっぽを向く。

「ぷっ、ククク」

麻衣が堪らず吹き出す。

「麻衣!」

優衣が、麻衣を睨むと

「はぁい」

麻衣は首をすくめる。

洸太は、首を傾げて

「何だよ?」

と、言い

「ねえ、麻衣ちゃん、今の笑いって…」

麻衣に聞こうとするが

「麻衣!」

優衣が、麻衣に睨みをきかせた為

「さあ?」

そう惚けた。

ここで、少し補足しておこう

《魔法少女こももちゃん》と《不思議探偵二宮三郎太》というのは、秋山レイナの代表作の一部である。