私は澤田に道案内してもらい自分の部屋の近くまで案内してもらった。
 
 
 
部屋には明日香が居るし入れてあげるのはちょっと無理っぽかったから私達は部屋の近くのベンチで座って話をしていた。
 
 
「そういや澤田の部屋ってどこなの?」
 
 
「えっ…言っても怒らないって約束してくれるか?」
 
 
「なんで怒るのよ。
 
私そんなに怒らないじゃない…。」
 
 
「そ、そうだよな。ひめは怒らないよな。」
 
 
 
そう言って何処かに指を指した。
 
 
「えっ…どこよ?そっちの方向にあるの?」
 
 
「う、うん。まぁなんて言うか…隣です。」
 
 
澤田はそう言って言い逃げしようと椅子から立ち上がり走ろうとした。
 
 
「待ちなさい。」
 
 
私がそう言って睨みつけると澤田は猫のように丸くなりその場に足を止め体を震わせていた。
 
 
「澤田…じゃあずっと部屋から私が1人で誰かを探してさみしそうにしてるのを見て楽しんでたんだよね?」
 
 
 
「いや…楽しんでたわけじゃ…。
 
 
ちょっとそんな気もなかったこともないけど…」
 
 
「ちょっとなかったこともないんだ。
 
 
じゃあ確信犯だね。」
 
 
私は澤田にニコッと笑って澤田の手を握った。
 
 
「待って。待ってって。謝るからそのゴリラみたいな握力で握るのだけは…。」
 
 
「ゴ?リ?ラって誰のことかな。」
 
 
私は澤田の手を今ある最高の力で握った。
 
 
そしてその握られた澤田の悲鳴はこの辺り一帯の人驚かすような声だった…。