「ねぇねぇまなもここに来たって事は現実で死んだの?」
 
 
「うん…たぶん死んだんだよねこれ?
 
なんか体も動くし息もしてるしあんまり実感ないな…」
 
 
「だよね。私もこのゲームには驚かされてばっかりだよ。
 
 
だってまず生き返れるとかおかしいよね?1度死んだ人が生き返るなんて最早反則だよ。」
 
 
「そうだよね。でも現に死んだはずの私達がこうして話すことも動くこともできるのはこのゲームのおかげって言ってもいいよね…
 
 
それより明日香はここには1人で来たの?友達とかは?」
 
 
「あ…。あぁ。私の友達もクラスのみんなもオープニングゲームで死んだんだ。」
 
 
 
「えっ…。ごめん変なこと聞いて。
 
 
無神経だったよ…。」
 
 
 
明るく振舞っているから友達もいるのかと思った。
でも人には人の悩みがあるよね…
悪いこと聞いちゃったな。。
 
 
明日香もやっぱりここに来るのに大事なものを失ったんだな。
 
 
「いいよいいよ。
 
 
こんなゲームだし仕方ないことだもん。」
 
 
「そっか。」
 
 
笑顔を作っているみたいだけど何処となく悲しげな表情に見えた。
 
 
辛かったんだろうな…
私も真理ちゃんが死んだ時はこんなんだったもんな。
でも澤田が私にはいてくれたから今こうして頑張ることができてる。
 
 
あれ?澤田はまだ来てないのかな…
 
 
 
「あ、あの明日香。私ちょっと外散歩してくるね。」
 
 
「あっ、うん。わかった。気をつけてね。」
 
 
 
ふぅ。やっぱりまだ慣れないな…。
なんか入学式の時のこと思い出すな。
最初は不安だったけど真理ちゃんが居てくれたもんな…
でも今は…あっ。澤田がいるか。
 
 
ってあいつ何処の部屋なのよ。
 
 
だいたいこんな広い敷地から探すのとか無理ありすぎでしょ…
 
 
 
30分以上歩き回ったが澤田は見つからなかった。
 
澤田のバカ…。
道迷ったし。帰れないよ。
バカバカバカバカバカバカ。
 
 
「お前何やってんのこんなとこで泣いて。」
 
 
「えっ。澤田?
 
あんたいつの間に…?」
 
 
「ずっと後ろからつけてたんだけど気づいてなかったのまさか…。
 
 
それよりひめ誰か探してたよね?」
 
 
「あんたよこのくそバカ。」
 
 
「あっ…そうだったんだ。ごめんごめん。
 
悪いことしたな。」
 
 
なんだ…いつもと一緒だ。
私は澤田の姿を見てなんだか凄くホッとした。